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2011/07/06

原作読んでから観たらめっぽう面白かった映画『東京公園』

Tokyokoenchicket02

 「東京散策」関連の題材を扱った映画(たとえば『転々』とか)は基本的に素通りできない人間なので、6月下旬某日の昼下がり、われながらご丁寧にも前夜に原作を読了したばかりというタイミングで、映画『東京公園』を観てきました。
 原作を読んだ作品の映画化版を観る経験はもちろん多々あるけれども、

「読んだ直後に観る」

 ということを意識的にやってみたのは初めてでして……で、この作品に関する限り、この手順で鑑賞したことはボク的には「当たり」だったと感じてます。

 読み終えてからまだ半日、頭の中に原作のストーリーの流れ、人間関係、印象的ないくつかのセリフ……などが鮮明に残っている状態で、いわば「作品への先入観」をしこたま持って臨んだぶん、必然的に原作と映画の相違点は高い確率で気づいちゃうわけで……結果、青山真治監督(脚本も担当)の「手のうち」というか「息遣い」というか「作戦」というか……そうしたものを鮮明に追体験した感があり、スローテンポな映画であるにも関わらず、いたって刺激的な時間をすごすことができました。

 中でも最大のインパクトとなった原作との相違は、主人公(三浦春馬)と同じ貸家に同居している青年「ヒロ(染谷将太)」に関する部分。彼は序盤では原作とほぼ同じ人物のように見えながら実際は大幅に異なった素性をもっており、あとでそのことに気づいた瞬間の「戸惑い」というか「落下感」というか……このへん、(「先入観」があるがゆえに)かなり衝撃的でありました。

 この部分も含め、映画では全体的に、原作より少しずつ「浮世離れ」感を増量する方向で細かいお膳立てのバランスがとられ、かつ、タイトル通り「公園」という、一種浮世離れした雰囲気を持つ空間での情景がコンスタントに挿入されます。そうした構成が、原作から受けるイメージより美男・美女なキャストでまとめられた(あまり現実感のない)キャラクターたちの言動に「ふさわしい舞台」を与え、たとえば、「主人公が血のつながらない姉(小西真奈美)の部屋を訪れるシーン」(原作ではあっさり語られるだけの部分)の盛り上がり具合あたりに、ものすごく貢献しているように感じられました。

 なお、「主人公が、ナゾの子連れの若い母親(井川遥)のあとをつけて写真を撮る場所」として登場する公園群も、原作と映画では順序も顔ぶれもかなり異なるのですが、そのへんも映画では抜け目なく「彼女はなぜ、どういう選択基準で都内のそれらの公園を巡っていたか」について、原作にない「説明」が後半でなされます。残念ながら説明自体はいまいちな感がありましたが、なるほど、映画の作り手はこういう要素も見逃さないんだなあ、勉強になるなあ……とか思ったのでした。

 と、以上、ネタバレを避けながら細かいことを書くのは無理があるのを痛感しつつ、久々に映画感想文らしきものをつづってみました。
 あとでまた書き足すかもしれません。

<参考リンク>「東京公園」公開スケジュール(MovieWalker)

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